1.背景-デザインが経営に役立つ訳-

 

 企業を取り巻く経営環境は、グローバル化やデジタル化が進展すると共に、価値観の多様化や少子高齢化が急速に進み、市場や顧客を読むことが極めて難しい時代になっています。中堅・中小企業がこれからの不透明な時代を乗り切って行くためには、他とは違った存在価値を明確にし、常に新たなチャレンジを行いながら、顧客価値の明確な商品・サービスを開発・提供できることが重要になっています。

 経営者の皆さんはデザインを「商品の色や形を整え、付加価値を高める活動」だと理解されているかもしれません。しかし、近年、顧客とともに共創活動を実施して、人間(顧客)中心で設計要件をまとめ、それを元にプロトタイプを作り、すぐに顧客に使ってもらい、出てきた問題点を素早く修正する。このプロセスを何度か繰り返しながら、顧客が本当に喜ぶ(満足する)商品・サービスの開発を行うことも、デザイン活動として捉えられています。

 また、商品・サービスの価値を、効果的かつ効率的に市場や顧客に伝える活動や、企業の価値を長期的に伝え続け、顧客と強い信頼関係を築く活動もデザイン活動と言え、デザインの概念が大きく拡大しています。近年では、欧米を中心にこの様な広義のデザイン活動をビジネスに導入することで、「企業のブランドづくり」や「イノベーティブな商品・サービスの開発」を実現し、企業競争力を向上させる企業が増えています。

2.企業経営の課題

 一方、経営者、事業責任者、デザイン責任者の皆様は、以下の様な課題感をお持ちではありませんか。もしお持ちならば、企業経営にデザインを導入することで、その課題を解決することができるかもしれません。

 ・コア技術は勝っていると思うが、商品が今一歩売れない。もっと売れる商品にする方法はないか。

 ・自社の技術を活用して、競争力のある商品やサービスを開発したい。

 ・商品・サービスは良いと思っているが、その良さがお客様に十分届いていない。

 ・ビジネスが今一歩伸び悩んでいる。競争力を高めるための「次なる一手」を検討したい。

3.デザイン経営とは

 前述のようにデザイン活動は広がっており、企業経営にデザインを導入することでビジネスの状況を変革している企業が増えています。また、今お持ちの経営課題に対して、デザインを上手く活用することで、課題解決を図り、ビジネスを拡大することができるかもしれません。ビジネスのあらゆるプロセスにデザインを導入し、①企業の信頼と認知を高め、顧客と強い関係性を築く取り組み[=ブランディング]を実現することができます。また、②常に顧客や市場を見直し、商品やサービス、テクノロジーを再構築することで、満足度の高い商品・サービスを開発し、業績を拡大させる取り組み[=イノベーション型開発]を具体化することが可能になるでしょう。

 このようにビジネスのプロセスにデザインを取り入れ、ブランド力とイノベーション力を向上することで、企業競争力を向上させる取り組みが「デザイン経営」であり、これからの企業経営に取って有効な手段の一つとして注目されています。なお、このデザイン経営を実践するためには、経営者のビジョンや思いをデザイナーがしっかり理解し、ビジネスの上流から参画することも重要だと言われています。

4.デザイン経営を実践するために

 中堅、中小企業などでは、社内にデザイナーやデザインチームを抱えていない企業も多いかもしれません。そのような場合においても、外部のデザイン事務所やデザイナーと連携し、デザイン経営を実践し、成果を上げることは可能です。

 その時重要なことは、経営者やデザイン責任者が広義のデザインの本質をよく理解し、ビジネス成果を上げるために「如何にデザインを活用すべきか」、その戦略を検討・立案できることが重要になります。また、委託を請けるデザイナーには経営の知識と経営者の考えや視座、想いを深く理解し、それを実現するための「総合的なデザイン戦略」を経営者やデザイン責任者の皆さんと一緒に策定できること。そして、戦略がまとまれば、それを具体的に実行できることが重要になります。

5.デザイン経営の効果

 欧米ではデザインへの投資を積極的に行う企業のパフォーマンスについて研究が行われており、デザイン投資を積極的に行う企業が高いパフォーマンスを発揮していることがデータで示されています。(下図参照)


 このように、経営プロセスにデザインを導入し積極的に活用することで、常に新たな顧客価値を創出してイノベーティブな商品・サービスを開発・提供することで、他社とは違った存在価値を明確にできるようになり、高い企業競争力を実現できるでしょう。

 ㈱ナレッジピースでは、これまでの経験・知識をベースに、お客様の「デザイン経営のご支援」を致します。また、デザイン経営を実践するための「デザイン戦略構築ワークショップ」や、それを実践する「デザイン経営人財を育成するためのデザイン講座」も準備しています。

以上

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エグゼクティブアドバイザー

 上田 義弘