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SDGsとは

 今、SDGsという言葉が色々なところで使われ、また様々な取組みも喧伝されています。

 SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、私たちの社会の発展のための世界的な課題(アジェンダ)を17分野169のターゲットとして提示し、2015年に国連で採択されたものです。このアジェンダには貧困、教育、気候変動、環境劣化など企業にとって関連のある広範な課題が扱われています。

この国連での採択を受け国内では2017年に経団連がSociety5.0を通じたSDGsの達成を柱として企業行動憲章を改定し、また政府も2018年に「SDGsアクションプラン2018」を発表しました。

企業はSDGsと如何に向き合えばよいのか

  法人格としての人格を有する企業と社会との関係については、以前からCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)や環境対応、企業統治などが求められてきました。会社法や金融商品取引法などで法的な義務と責任を明確にしたものや、ESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(統治))として責任投資の観点で企業価値の評価尺度に位置づけられているものもあります。

 しかし多くの場合、営利を第一義の目的とする企業にとっては、事業の遂行に対して間接的負担を増す要求と捉えられ、実際の対応にあたって人的、経済的負担が生じることもありました。

SDGsと従来の取組みとの相違は社会的課題の解決と企業本来の事業活動を明に結びつけて取り組むような提言となっていることです。何故SDGsは企業にとって重要なのか簡単に整理してみましょう。

 

SDGsを企業経営に活かすメリットとは

  SDGsは企業から見れば2つの側面を持っています。1つは事業活動が課題に抵触しているリスクによる新たな対応と負担が生じるマイナスの影響、もう一つはイノベーションや成長の機会、新製品やサービスの開発などで企業の進化につながるプラスの影響です。ここでは、前向きなプラスの影響を中心に3点を示します。

 まず第1の視点は「将来のビジネスチャンスの見極め」です。

 SDGsは、地球規模の公的または民間の投資の流れをSDGsが示す課題の方向に転換することを目的としています。国内でもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や政策投資銀行などがESG、SDGsなどの非財務情報に基づく投融資拡大に取り組み始めています。

 このような傾向が加速すれば、課題解決のための革新的ソリューションや変革の実現に取り組む企業の動きを促進すると共に課題領域が新たな成長市場になり得るということです。例えば、再生エネルギーに関わる市場が大きく動き出しているのはご承知でしょう。

 第2の視点は「企業の持続可能性に関わる価値の向上」です。

 課題解決への取組みが企業価値の向上に寄与し、持続可能性も高まるということです。ビジネスを通じた課題解決は企業の存在価値を高め市場の中で生き残ることができる、即ち持続可能な需給関係を作り出すのです。また、環境コストなどが内部化される中で、資源の効率的利用や持続可能な代替策への転換など、自身の経済的なインセンティブの強化にもつながる可能性があります。

 第3の視点は「ステークホルダーとの関係強化、政策展開との同調」です。

 SDGsは国際、国家、地域レベルでステークホルダーの期待と将来の政策の方向性を反映したものと言えます。SDGsと経営上の優先課題を統合できる企業は顧客、従業員をはじめとするステークホルダーとの協働を強化できる一方、そうでない企業は法的あるいは悪しき評判のリスクに晒される可能性も高まります。フェアトレード、直近ではウィグル自治区の問題が実際のビジネスに影響を及ぼしている事例もあります。

 

ではSDGsへどのように取り組むか

 紙面も限られる中解説を続けてきましたが、企業の皆様からは「じゃ何をすればいいの?」「どう進めればいいの?」「何を目指せばいいの?」といった声が聞こえてきそうです。

 まずは、SDGsの意義や企業にもたらされる利点がありそうなことを少しでも理解いただけたでしょうか。また従来の企業に求められた社会的責任とかガバナンスの強化といった類の問題提起とは異なっていることにお気づきいただけたでしょうか。

 従来の要求が、様々な社会的問題の発生に応じて社会における法人としての「善良な人格」を求めていたのに対し、SDGsは社会の発展のための課題解決への貢献を求めています。その課題には基本的に人権や環境に関わる領域も含まれており、企業経営においてSDGsに取り組むこと、即ちSDGsを企業経営に統合することは、必然的に「善良な人格」の実現につながることになります。さらに、繰り返しになりますが、SDGsと企業経営の統合とは課題解決に寄与する取り組みを、営利を求める事業活動を通じて実現することにあります。

 簡単に言えば、既存の事業に関しては事業遂行のために存在する活動や機能がどの課題領域に関係するかを割り出し、その中から何を優先課題として取り組むかを決めた上で、目標を明確にし、また取り組みの進捗は何を測って示すか等々を決定し実行していくことになります。

 また既存事業の更新や新しい事業の開発にあたっては、対象になるアジェンダの領域の見極めと如何に貢献できるかということを重要な成功要因として捉えて計画の立案と実行を進めることになります。

 

㈱ナレッジピースがお手伝いできること

 取り組みの大前提はSDGsを理解すること、特に企業経営との統合にあたっては従業員をはじめとする全社的な理解と合意が必要です。多くの場合では協業するパートナー様の理解と合意も重要な成功要因になります。

 その上で、先ほど述べたような手順に従い取組みを進めていきます。

 ナレッジピースではこのようなSDGs対応を進めるために

 -SDGsの理解のための啓発活動、例えば説明会、セミナーや勉強会などの企画やご支援

 -SDGs対応実施にあたっての計画作りや実行の各ステップにおける助言

 などのお手伝いをさせて頂きます。

​以上

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エグゼクティブアドバイザー

小村 元

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